子供に読ませたい本としての『若草物語』
『若草物語』には、メグ、ジョー、ベス、エイミーという四姉妹が登場します。
しっかりしたい気持ち。
自由にやりたい気持ち。
優しくありたい気持ち。
認められたい気持ち。
こうした気持ちは、物語の中の四姉妹だけが持っているものではありません。
子供の心の中にも、メグのように「ちゃんとしたい自分」、ジョーのように「自由にやりたい自分」、ベスのように「優しくありたい自分」、エイミーのように「認められたい自分」がいるのだと思います。
『若草物語』は、四姉妹の姿を通して、子供が自分の中にあるいろいろな気持ちを見つけることができる物語です。
そして、自分の中にいる四姉妹に気づくことができたなら、今度は自分の外にも目を向けられるようになります。
友達の中にも、メグのように頑張りすぎている子がいるかもしれません。
ジョーのように、自分のやり方で進みたい子がいるかもしれません。
ベスのように、静かだけれど本当は優しくて繊細な子がいるかもしれません。
エイミーのように、少しわがままに見えても、本当は認めてほしいだけの子がいるかもしれません。
自分の気持ちを知ること。
そして、他人の気持ちを想像すること。
この二つを、物語を通して自然に学べるところが、『若草物語』の素晴らしさだと思います。
若草物語
読書が苦手な子でも、オーディブルなら物語の世界に入りやすくなります。
リンク内に『プレビューの再生』があります。聞いてみて下さい。
※本ページはアフィリエイト広告を利用しています。
四姉妹の中に、子供は自分を見つけられる
子供は、自分の気持ちを言葉にするのがまだ得意ではありません。
怒っている。
悲しい。
恥ずかしい。
本当は分かってほしい。
でも、うまく言えない。
そういうことはよくあります。
そんな時、物語の登場人物は、子供の代わりに気持ちを表してくれます。
「この子の気持ち、分かる」
そう思える登場人物に出会うことで、子供は自分の気持ちに少しずつ気づいていきます。
『若草物語』の四姉妹は、それぞれが違う悩みや弱さを持っています。
完璧な子はいません。
みんな良いところもあり、未熟なところもあります。
だからこそ、子供にとって親しみやすいのだと思います。
メグは「ちゃんとしたい子」
メグは、四姉妹の長女です。
家族の中で、しっかりしようとする存在です。
大人っぽく振る舞いたい。
きちんとしていたい。
周りから良く見られたい。
家族の中で責任を持ちたい。
そんな気持ちを持っています。
子供の中にも、メグのような子はいると思います。
親に心配をかけたくない子。
先生にちゃんとしていると思われたい子。
兄弟や友達の前で、しっかり者でいようとする子。
そういう子は、一見すると手がかからないように見えます。
でも、本当は心の中で無理をしていることもあります。
「ちゃんとしなきゃ」
この気持ちは大切です。
けれど、強くなりすぎると、子供は疲れてしまいます。
メグを読むことで、子供は「ちゃんとしたい自分」に気づくことができます。
そして親もまた、子供の中にある責任感や緊張に気づきやすくなるのではないでしょうか。
ジョーは「自由にやりたい子」
ジョーは、情熱的で、自分の考えを強く持っている人物です。
型にはまることが苦手で、自分らしく生きたいという気持ちを持っています。
自由にやりたい。
自分で決めたい。
納得できないことには従いたくない。
自分の考えを形にしたい。
こういうジョーの姿に惹かれる子は多いと思います。
特に、好奇心が強い子や、自分の世界を持っている子は、ジョーに自分を重ねやすいかもしれません。
ジョーのような子は、とても魅力的です。
新しいことを考えたり、自分なりのやり方を見つけたりする力があります。
でも、その一方で、周りとぶつかることもあります。
自分の気持ちが強すぎて、相手の気持ちが見えなくなることもあります。
これは子供にもよくあることです。
「自分はこうしたい」
「なぜ分かってくれないの」
「自分のやり方でやりたい」
そういう気持ちは、決して悪いものではありません。
ただ、その力をどう使うかが大切です。
ジョーを読むことで、子供は「自由にやりたい自分」と向き合うことができます。
自由さは、わがままにもなります。
でも、創造する力にもなります。
その両方を感じられるところが、ジョーの魅力だと思います。
ベスは「優しくて繊細な子」
ベスは、控えめで、穏やかで、優しい人物です。
前に出るタイプではありません。
大きなことを言うわけでもありません。
でも、家族にとってベスの存在はとても大きいものです。
争いたくない。
人を傷つけたくない。
安心できる場所にいたい。
静かに人を大切にしたい。
こういう気持ちを持つ子もいます。
ベスのような子は、目立たないかもしれません。
自己主張が強いわけでもありません。
でも、周りの空気をよく見ていたり、人の気持ちに敏感だったりします。
親から見ると、「もっと積極的になってほしい」と思うこともあるかもしれません。
けれど、静かであることは弱さではありません。
優しいことも、繊細であることも、その子の大切な力です。
ベスを読むことで、子供は「優しくありたい自分」を肯定しやすくなります。
そして親もまた、子供の静かな優しさに気づきやすくなるのだと思います。
エイミーは「認められたい子」
エイミーは、自分をよく見せたい気持ちを持っています。
美しく見られたい。
上品に見られたい。
人から認められたい。
軽く扱われたくない。
一見すると、少し見栄っ張りに見えるかもしれません。
でも、私はエイミーの気持ちはとても大切だと思います。
なぜなら、子供の中にも「認められたい」という気持ちは必ずあるからです。
ほめられたい。
すごいと思われたい。
自分のことを見てほしい。
兄弟や友達と比べられたくない。
こういう気持ちは、子供にとって自然なものです。
ただ、うまく言葉にできないと、違う形で出てくることがあります。
すねる。
怒る。
自慢する。
わざと反対のことをする。
その奥には、「私を見てほしい」という気持ちがあるのかもしれません。
エイミーを読むことで、子供は「認められたい自分」に気づくことができます。
そして親も、子供のわがままに見える行動の奥にある気持ちを考えやすくなるのではないでしょうか。
自分の中の四姉妹に気づくと、友達の気持ちも見えてくる
『若草物語』の良さは、自分の中にある気持ちに気づけることだけではありません。
自分の中にメグ、ジョー、ベス、エイミーのような気持ちがあると分かると、今度は友達や家族の気持ちも想像しやすくなります。
たとえば、いつも静かな子がいたとします。
その子を見て、ただ「おとなしい子」と思うだけではなく、
「ベスみたいに、周りの空気をよく見ているのかもしれない」
と考えることができます。
また、少しわがままに見える子がいたとします。
その子を見て、ただ「困った子」と思うだけではなく、
「エイミーみたいに、本当は認めてほしいのかもしれない」
と考えることもできます。
自分のやり方にこだわる子がいたら、
「ジョーみたいに、自分で決めたい気持ちが強いのかもしれない」
と思えるかもしれません。
いつも頑張っている子がいたら、
「メグみたいに、ちゃんとしなきゃと無理をしているのかもしれない」
と気づけるかもしれません。
もちろん、人を簡単にタイプ分けする必要はありません。
「あの子はベスのタイプ」
「あの子はエイミーのタイプ」
と決めつけるために読むのではありません。
大切なのは、目の前の行動だけで判断せず、その奥にある気持ちを想像してみることです。
物語を読むことで、子供は自分の気持ちだけでなく、他人の気持ちにも少しずつ目を向けられるようになります。
私は、そこに『若草物語』の素晴らしさがあると思います。
子供の気持ちは一つではない
『若草物語』の四姉妹を読んでいると、子供の心も一つではないことに気づきます。
子供は、いつも同じ気持ちでいるわけではありません。
ある時はメグのように、ちゃんとしようとします。
ある時はジョーのように、自由にやりたくなります。
ある時はベスのように、静かに安心したくなります。
ある時はエイミーのように、認めてほしくなります。
そのどれか一つだけが、その子の本当の姿ではありません。
全部が、その子の中にある気持ちです。
親はつい、子供を一つの性格で見てしまうことがあります。
「この子はわがまま」
「この子はおとなしい」
「この子は頑固」
「この子はしっかりしている」
でも、本当はもっと複雑です。
しっかりしている子の中にも、甘えたい気持ちはあります。
自由に見える子の中にも、不安はあります。
おとなしい子の中にも、強い思いがあります。
わがままに見える子の中にも、認められたい気持ちがあります。
『若草物語』は、そういう子供の心の複雑さを考えるきっかけになる本だと思います。
親子で話し合えるテーマが多い
『若草物語』は、親子で話し合いやすい本でもあります。
読み終わったあとに、難しい感想を聞く必要はありません。
「誰が一番好きだった?」
これだけでも十分です。
そこから、子供の感じ方が見えてきます。
「ジョーが好き」なら、自由にやりたい気持ちが強いのかもしれません。
「ベスが好き」なら、優しさや安心感に惹かれているのかもしれません。
「エイミーの気持ちが分かる」なら、認められたい気持ちがあるのかもしれません。
「メグが好き」なら、ちゃんとしていたい気持ちがあるのかもしれません。
もちろん、決めつける必要はありません。
ただ、親子で話すきっかけになります。
読書の良いところは、物語を間に置けることです。
直接「あなたはどう思っているの?」と聞くと、子供は答えにくいことがあります。
でも、登場人物の話なら話しやすい。
「ジョーって、ちょっと怒りっぽいよね」
「エイミーの気持ち、分かる?」
「ベスみたいな子、クラスにいる?」
そんな会話の中で、子供は少しずつ自分の気持ちを言葉にしていけるのだと思います。
読書は、子供が自分と他人を知る時間でもある
読書というと、知識を増やすためのものだと思われがちです。
もちろん、それも大切です。
でも、物語を読むことには、もう一つ大きな意味があります。
それは、自分の気持ちを知ることです。
登場人物に共感する。
ある場面で悲しくなる。
別の場面で腹が立つ。
誰かの言葉が心に残る。
そういう経験を通して、子供は自分の中にある気持ちに気づいていきます。
そして、自分の気持ちに気づけるようになると、少しずつ他人の気持ちも想像しやすくなります。
「自分にもこういう気持ちがある」
そう分かるからこそ、
「あの子にも、同じような気持ちがあるのかもしれない」
と考えられるようになるのだと思います。
『若草物語』は、その練習に向いている本です。
四姉妹がそれぞれ違うからこそ、子供はいろいろな感情に触れることができます。
そして、自分の中にも、友達の中にも、いろいろな気持ちがあることに気づけます。
『若草物語』は、子供の心を育てる読書になる
『若草物語』は、ただ昔から読まれている名作というだけではありません。
子供が自分の気持ちを知るための本でもあると思います。
ちゃんとしたいメグ。
自由に生きたいジョー。
優しくありたいベス。
認められたいエイミー。
四姉妹の姿を通して、子供は自分の中にもいろいろな気持ちがあることに気づけます。
そして、自分の中の四姉妹に気づくことで、友達や家族の中にもいろいろな気持ちがあることを想像できるようになります。
「うちの子はジョーみたいに自由にやりたいのかもしれない」
「エイミーのように、認めてほしい気持ちが強いのかもしれない」
「ベスのように、実は繊細なのかもしれない」
そう考えると、親の子供への見方も少し変わります。
読書は、ただ文字を読むだけのものではありません。
物語を通して、自分や家族、友達の心を理解する時間でもあります。
『若草物語』は、子供に読書をすすめたい親にとって、良い一冊になると思います。
若草物語
読書が苦手な子でも、オーディブルなら物語の世界に入りやすくなります。
リンク内に『プレビューの再生』があります。聞いてみて下さい。
※本ページはアフィリエイト広告を利用しています。


コメント