地デジ化と東京スカイツリーが変えた電波環境
私はかつてケーブルテレビの技術スタッフとして働いており、地デジ移行や東京スカイツリー開業時に、実際の電波障害の変化を調査したことがあります。
アナログ放送時代には「ゴースト(二重映り)」が大きな問題でしたが、地デジではOFDMという技術によりマルチパス(反射)に強くなり、ゴーストは実質的に解消されました。
さらに、東京タワーよりもはるかに高いスカイツリー(634m)からの送信により、電波の到達性と安定性が大幅に向上。都市部の受信環境は劇的に改善されたのです。
なぜ今、屋根裏アンテナでも受信できるのか?
東京スカイツリーは“電波の灯台”
東京スカイツリーの送信位置は非常に高く、周囲のビルや高速道路より上から電波を送っています。これにより、都市部の障害物による遮蔽や反射の影響が軽減され、安定した受信が可能になりました。
地デジは反射に強い技術を採用
地デジは「OFDM変調方式」によって、複数の経路から届く電波(マルチパス)を補正できるため、反射の多い都市部でも安定して映像を表示できます。
だからこそ屋根裏設置が現実的に
これらの進化によって、従来では難しかった屋根裏へのアンテナ設置でも、十分な受信が可能となったのです。
我が家のアンテナ設置:木造住宅・片流れ屋根・東京スカイツリー25km圏
私は2025年に新築の木造2階建て住宅(片流れ屋根・サイディング外壁)を建てました。東京スカイツリーからは直線で約25km。屋根裏に十分な空間があったため、UHF20素子のアンテナを屋根裏に設置しました。
受信対象はリビングの1台のみ。結果として、ブースターなしでも問題なく地デジを受信できています。
なぜ屋根裏アンテナ? メーカーは推奨しないが…
屋根裏へのアンテナ設置については、住宅メーカーや電気業者の多くが「保証できない」「おすすめしない」と言います。主な理由は、屋根材や構造によって電波が減衰しやすく、安定した受信ができないリスクがあるからです。
しかし私は、地デジの技術と東京スカイツリーの送信力を実際の現場で経験していたため、受信できるという確信に近い判断を持っていました。そこで、新築時の建築段階で屋根裏への同軸ケーブルを確保するように住宅メーカーに指示を出しました。
しかし、不安がまったくなかったわけではありません。もし屋根裏でうまく受信できなかった場合に備えて、外側にアンテナを出せるよう“保険”をかけておくことにしました。
同軸ケーブルを長めにしてもらい、外部への引き出しが可能な余裕を持たせておくよう住宅メーカーに依頼しました。
屋根裏アンテナ設置のメリットと注意点
メリット
- 外観がスッキリ(アンテナが見えない)
- 風雨や紫外線の影響を受けにくく、腐食や倒壊のリスクが少ない
- DIYでの設置・交換も可能(高所作業が不要)
注意点
- 周辺の電波状況が良好であること(地形・建物の影響を受けにくい立地)
- 木造住宅など、電波を通しやすい構造であること
- 複数台に分配する場合はブースターが必要な場合がある
まとめ:アンテナ設置の新しい選択肢
スカイツリーと地デジ技術の進化により、これまで難しいとされていた屋根裏アンテナ設置が現実的な選択肢となっています。
私のように受信環境と住宅構造が合致すれば、見た目・耐久性・コスト・メンテナンス性の面でも非常に合理的です。
アンテナは外につけるもの――そんな常識を見直してみてはいかがでしょうか?
今回購入したものは下記の通りです。
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