私はこれまで、年に4回ギックリ腰を経験したことがあります。
その経験から強く感じているのは、ギックリ腰直後に大事なのは「腰を直接どうにかすること」ではなく、
腸腰筋をいかに早く再起動させるかだということです。
もちろん、これは私自身の体験と感覚です。
医学的に「ギックリ腰の原因は腸腰筋である」と断定したいわけではありません。
ただ、何度もギックリ腰を経験する中で、私の体では毎回かなり似たような感覚がありました。
それは、ギックリ腰になると腸腰筋がシャットダウンしてしまったように感じるということです。
- ギックリ腰は、体を支えるチームから一人抜けたような状態
- 骨盤は、操り人形のようなもの
- 腰や殿筋はサボっているのではない
- 指圧やストレッチは、私には悪化する印象が強かった
- 腸腰筋を再起動させるコツ
- すべての動きは、ゆっくり行う
- 痛みの間を縫って腿を上げる
- これは筋トレではなく、再起動
- 腸腰筋は一瞬で100%には戻らない
- 腸腰筋は、すぐにまた落ちる
- 成功すると、5分後くらいに殿筋の緊張がゆるむ
- 最初は、つかまり立ちで腿上げ
- 仰向けなら、股関節に集中して膝を立てる
- お風呂やプールは、最初からできるわけではない
- 私の中での段階
- 椅子から立ち上がるとき、机に手をつくと激痛が出た
- 立ち上がるときも、股関節が大事だった
- 私が発生直後に避けた方がいいと感じたこと
- 発生直後の合言葉
- まとめ
ギックリ腰は、体を支えるチームから一人抜けたような状態
私の感覚では、体を支える筋肉はチームのようなものです。
腰、腹筋、殿筋、太もも、背中、そして腸腰筋。
これらが協力して、体という重たい荷物を支えています。
普段は、複数の人で重たい荷物を持っているような状態です。
ところがギックリ腰になると、その中の一人、つまり腸腰筋が突然抜けてしまうような感覚があります。
すると、残された筋肉に一気に負担がかかります。
荷物は重たすぎるので、残った人たちはその場で固まってしまいます。
誰かが一歩でも動けば、荷物が崩れてしまいそうだからです。
これが、ギックリ腰直後の
「痛くて動けない」
「どの方向にも動きたくない」
「腰やお尻がガチガチに固まる」
という状態に近いのではないかと感じています。
骨盤は、操り人形のようなもの
私の感覚では、骨盤はコンクリートの土台のように固定されているものではありません。
むしろ、筋肉に引っ張られて姿勢を保っている、操り人形のようなものだと感じています。
腸腰筋、殿筋、腹筋、背筋、太ももの筋肉。
これらがバランスよく働いているから、骨盤はちょうどよい位置に保たれています。
ところがギックリ腰になると、そのバランスが一気に崩れます。
特に私の場合は、腸腰筋がシャットダウンしたような感覚がありました。
腸腰筋という支えが抜けると、他の筋肉がその分を必死に補おうとします。
すると、骨盤を引っ張る力のバランスが変わり、骨盤が傾いてしまうように感じます。
骨盤が傾くと、腰椎まわりに余計な負担がかかります。
さらに殿筋や太もも、背中の筋肉も緊張し、体全体が「これ以上動くな」と固まってしまいます。
この状態で腰だけをほぐそうとしても、私の場合はうまくいきませんでした。
操り人形の糸の一本が緩んだり切れたりしているのに、人形の姿勢だけを手で直そうとしているようなものです。
だから私にとって大事だったのは、骨盤を無理やり整えることではありませんでした。
まずは、シャットダウンした腸腰筋を再起動して、骨盤を支える筋肉のバランスを少しずつ取り戻すことでした。
腰や殿筋はサボっているのではない
ギックリ腰の直後、腰やお尻の筋肉はガチガチになります。
このとき、つい「固まっているからほぐしたい」と思います。
しかし私の感覚では、腰や殿筋はサボっているのではありません。
むしろ、抜けた腸腰筋の分まで必死に体を支えているように感じます。
重たい荷物を数人で持っているとき、一人が抜けたら、残った人はさらに強く踏ん張ります。
その状態で、残った人たちに向かって「力を抜け」と言っても無理があります。
ギックリ腰直後の腰や殿筋も、それに近いと思いました。
だから、固まった腰やお尻を直接責めるのではなく、
まず腸腰筋に戻ってきてもらう。
これが、私の中での回復の考え方です。
指圧やストレッチは、私には悪化する印象が強かった
ギックリ腰の直後、腰やお尻がガチガチに固まると、つい指で押したり、ストレッチで伸ばしたくなります。
しかし、年に何度もギックリ腰を経験した私の感覚では、
発生直後の指圧や強いストレッチは、悪くなる印象が強いです。
固まっている筋肉は、体を守るために必死に支えているように感じます。
そこを無理に押したり伸ばしたりすると、体がさらに防御してしまい、余計に固まることがありました。
もちろん、指圧やストレッチがすべて悪いと言いたいわけではありません。
落ち着いた時期や、専門家に見てもらいながら行う場合は別だと思います。
ただ、発生直後の私には、腰や殿筋を直接ほぐすよりも、
股関節に集中して、痛みのない範囲で腿を上げることの方が合っていました。
腸腰筋を再起動させるコツ
腸腰筋を再起動させるコツは、
股関節だけに集中して、腿を上げることです。
腰を動かそうとするのではありません。
腹筋に力を入れて頑張るのでもありません。
意識するのは、股関節です。
最初は、どこかにつかまり立ちをするのがやりやすいです。
壁、手すり、机、洗面台など、安定して体を支えられる場所につかまります。
そして、股関節だけに集中して、ゆっくり腿を上げます。
このとき大事なのは、痛みを我慢して上げることではありません。
痛みが出ない角度、痛みが出ない方向を探りながら、ゆっくり上げていきます。
私の感覚では、成功すると足は体の中心を通って上がってきます。
腰の横や太ももの前側で無理に上げる感じではなく、股関節の奥からスッと持ち上がるような感覚です。
うまく上がると、痛みはありません。
むしろ「ここなら動ける」というルートが見つかる感じです。
すべての動きは、ゆっくり行う
ここで紹介している動きは、すべてゆっくり行います。
ギックリ腰の直後は、速い動きや反動のある動きに体が強く反応します。
少し勢いをつけただけでも、腰や殿筋が防御して、痛みが出ることがあります。
だから、腿を上げるときも、膝を立てるときも、椅子から立ち上がるときも、
急がず、ゆっくり、痛みのない角度を探しながら行います。
目的は、早く動くことではありません。
腸腰筋に「ここを使っていい」と思い出させることです。
動きが速くなると、股関節ではなく腰や太ももの前側で代償しやすくなります。
そのため、私の場合は、ゆっくり動いた方が股関節に集中しやすく、痛みのないルートも見つけやすくなりました。
痛みの間を縫って腿を上げる
ギックリ腰の直後は、動かすと痛い方向があります。
そのため、力任せに動かすと腰が反応してしまいます。
しかし、痛くない角度もあります。
その痛くない角度を探しながら、痛みの間を縫うように腿を上げていきます。
目標としては、できれば腿がほぼ90度くらいまで上がる状態を目指しました。
ただし、最初から無理に90度まで上げる必要はありません。
大切なのは、角度そのものではなく、
腰に痛みを出さずに、股関節から足を上げられる感覚を取り戻すことです。
これは筋トレではなく、再起動
この動きは、筋トレというよりも再起動に近いです。
強く鍛えるための運動ではありません。
眠ってしまった腸腰筋に、
「ここを使って足を上げるんだ」
と思い出させるための動きです。
ギックリ腰になると、腰を守ろうとして体が固まります。
その結果、足を上げる動きまで腰や太ももの前側で代償してしまうように感じました。
だからこそ、股関節だけに集中して、痛みのないルートで腿を上げる。
これが、私にとって腸腰筋を目覚めさせる一番のコツでした。
腸腰筋は一瞬で100%には戻らない
私の感覚では、ギックリ腰の直後にシャットダウンした腸腰筋が、
一瞬で100%に戻るわけではありません。
股関節に集中して腿を上げることで、腸腰筋にスイッチが入る感覚はあります。
しかし、それで完全に元通りになるわけではなく、
100%に戻るには数日かかるように感じます。
大切なのは、一回で治そうとしないことです。
腸腰筋に何度も軽い刺激を送り、
「ここを使っていい」
「股関節から足を上げていい」
と体に思い出させていく感覚です。
腸腰筋は、すぐにまた落ちる
私の感覚では、ギックリ腰直後の腸腰筋は、一度再起動してもすぐにまた落ちます。
股関節に集中して腿を上げると、
「少し腸腰筋が戻ってきた」
と感じる瞬間があります。
うまくいくと、5分後くらいに殿筋の緊張がゆるみます。
このときは、腰やお尻だけで支えていた状態から、
腸腰筋も少し支えるチームに戻ってきたように感じます。
しかし、発生直後はまだ安定していません。
少し時間がたつと、また腸腰筋の働きが落ちて、
腰や殿筋が固まり始めることがあります。
だから、一回で終わりにしないことが大事です。
腸腰筋は、何度も再起動させる必要があります。
ただし、何度も再起動するといっても、強くやりすぎる必要はありません。
痛みを出してしまうと、体はまた防御に入ります。
腰や殿筋がさらに固まり、逆に再起動しにくくなることがあります。
私が意識したのは、
痛みのない範囲で、小さく、ゆっくり、何度も
です。
成功すると、5分後くらいに殿筋の緊張がゆるむ
私の場合、腸腰筋の再起動がうまくいったかどうかは、殿筋の緊張で判断していました。
腿上げをしてから5分後くらいに、お尻の緊張が少しゆるむ。
腰を守るために固まっていた殿筋が、少しだけ力を抜ける。
この変化があると、
「腸腰筋に少しスイッチが入った」
と感じます。
ただし、その状態はまだ長く続きません。
だから、また落ちたら、また再起動する。
この繰り返しで、腸腰筋が少しずつ安定していくように感じました。
最初は、つかまり立ちで腿上げ
ギックリ腰の直後は、仰向けに寝るよりも、立っている方が楽なことがあります。
私の場合も、最初は立っている方が動きやすいことが多かったです。
そのため、最初はつかまり立ちでの腿上げから始めます。
- どこかにつかまって体を安定させる
- 腰ではなく股関節だけに意識を向ける
- 腿をゆっくり上げる
- 痛みが出る方向には行かない
- 痛くない角度を探しながら上げる
- 足が体の中心を通って上がる感覚を探す
- 無理に回数を増やさない
目的は回数をこなすことではありません。
痛みを我慢して頑張ることでもありません。
目的は、腸腰筋に軽く信号を送ることです。
仰向けなら、股関節に集中して膝を立てる
仰向けに寝られる場合は、無理に足を上げる必要はありません。
まずは股関節に集中して、膝を立てる動きから始めます。
このときも、腰を動かそうとしないことが大切です。
腰を反らせたり、腹筋で頑張ったりするのではなく、股関節から膝を立てる感覚を探します。
膝を立てる動きの中でも、痛い角度と痛くない角度があります。
痛くないルートを探しながら、ゆっくり動かします。
お風呂やプールは、最初からできるわけではない
腸腰筋を再起動するには、プールやお風呂の中がやりやすいと感じました。
水の浮力や温かさがあるので、股関節を動かしやすくなるからです。
特にプールは、私の感覚では一番負担が少ないです。
水の浮力があるので、腰にかかる負担が減り、股関節の動きに集中しやすくなります。
ただし、ギックリ腰の発生直後から風呂やプールに入れるわけではありません。
実際には、パンツを履くことすら難しい状態になることがあります。
片足を上げるだけで腰に痛みが走る。
体を少し傾けるだけでも怖い。
立ったまま着替えることも、座って足を通すことも大変です。
その状態で無理にお風呂やプールに入ろうとすると、移動や着替え、浴槽への出入りでかえって腰を痛める可能性があります。
だから、発生直後の第一選択はお風呂やプールではありません。
まずは、どこかにつかまって立ち、体を安定させた状態で、痛みのない範囲で小さく腿を上げることから始めました。
水の中は負担が少ない。
でも、水の中にたどり着くまでが大変。
これも、ギックリ腰になって初めて分かることだと思います。
私の中での段階
- 発生直後:つかまり立ちで、股関節に集中して小さく、ゆっくり腿を上げる
- 横になれる場合:仰向けで、股関節に集中してゆっくり膝を立てる
- 入浴できるようになったら:湯船の中で、膝を立てる・腿を軽く動かす
- 数日後、移動や着替えが安全にできるなら:プールで浮力を使って動かす
ポイントは、便利な方法から選ぶのではなく、今の自分が安全にできる方法を選ぶことです。
椅子から立ち上がるとき、机に手をつくと激痛が出た
ギックリ腰の直後、椅子から立ち上がる動作も大きな問題でした。
普通なら、机に手をついて体を支えれば楽に立てそうに思います。
しかし私の場合、机に手をついて立ち上がろうとすると、逆に激痛に襲われることがありました。
おそらく、机に手をつくことで体が前に逃げ、腰や背中で無理に支える形になっていたのだと思います。
腕で支えているつもりでも、体幹の奥ではうまく支えられておらず、腸腰筋が働かないまま腰に負担が集中していたように感じます。
ギックリ腰の直後は、楽をしようとした動きが、必ずしも腰に優しいとは限りません。
机に手をつく、体を前に倒す、腕で押して立つ。
こうした動きが、かえって腰の防御反応を強くしてしまうことがありました。
立ち上がるときも、股関節が大事だった
私の場合、椅子から立ち上がるときも、意識するべき場所は腰ではなく股関節でした。
机に手をついて無理に体を引き上げるのではなく、足の裏を床につけ、股関節から体を起こすように意識します。
そして、下腹に軽く圧を入れたまま、腰ではなく脚と股関節で立ち上がる感覚を探しました。
うまくいくと、腰を引っ張られるような痛みが少なくなります。
逆に、机に手をついて上半身だけで逃げようとすると、腰に鋭い痛みが出やすい印象でした。
- 机に強く手をついて、腕で引っ張り上げない
- 足の裏をしっかり床につける
- 股関節に意識を置く
- 下腹に軽く圧を入れる
- 腰を丸めすぎない
- 痛みが出る角度を避ける
- 一気に立たず、痛みのないルートをゆっくり探す
椅子から立ち上がる動作も、腸腰筋の再起動と関係しているように感じました。
腸腰筋が働かない状態では、立ち上がりの動きでも腰や殿筋が過剰に頑張ってしまいます。
だから、立ち上がるときも「腰を守る」だけではなく、
股関節から動くこと、そして腸腰筋に少しずつ参加してもらうことが大切だと感じました。
私が発生直後に避けた方がいいと感じたこと
ギックリ腰直後に、私が避けた方がいいと感じたことは次のような動きです。
- 痛みを我慢して強いストレッチをする
- 腰や殿筋を強く指圧する
- 腰を無理に丸める
- 反動をつけて動かす
- 速い動きで一気に動こうとする
- いきなり筋トレを始める
- 腰を守るために体を固め続ける
- 腹をへこませたまま動く
- 机に手をついて上半身だけで立ち上がろうとする
特に、腰を守ろうとして全身を固め続けるのは、私にはあまり良くなかったように感じます。
守ることは必要ですが、守りすぎると腸腰筋が戻ってきません。
発生直後の合言葉
私の中での合言葉は、これです。
腰を直接いじらない。股関節から腸腰筋に信号を送る。
もう少し具体的に言うと、
お腹をへこませない。腰を固めすぎない。下腹に軽く圧を入れる。股関節だけで、ゆっくり腿を上げる。
この感覚があると、腰だけで頑張る感じが少し減ります。
体の奥から支えられるような感覚が、少しずつ戻ってきます。
まとめ
ギックリ腰直後は、腰が痛いので腰ばかりに意識が向きます。
しかし、私の回復で大事だったのは、
腸腰筋をいかに早く再起動させるかでした。
腸腰筋が眠ったままだと、腰や殿筋が代わりに頑張り続けます。
その状態で腰やお尻を無理に押したり伸ばしたりしても、私の場合は悪くなる印象が強かったです。
だから私は、腰を直接ほぐすのではなく、股関節に集中して、痛みのない範囲で腿を上げるようにしました。
一度で完全に戻るわけではありません。
腸腰筋はすぐにまた落ちます。
だから、痛みのない範囲で、小さく、ゆっくり、何度も再起動する。
成功すると、5分後くらいに殿筋の緊張がゆるむことがあります。
その変化があると、腸腰筋が少し支えるチームに戻ってきたように感じます。
ギックリ腰直後に私が学んだことは、
「固まった腰を責めないこと」
そして、
「抜けた腸腰筋を、やさしくチームに戻すこと」
でした。
この記事は、年に何度もギックリ腰を経験した私自身の体験記です。
医学的な診断や治療法を断定するものではありません。
強い痛みが続く場合、足のしびれや力の入りにくさ、排尿・排便の異常、発熱、転倒後の痛みなどがある場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。

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